映画『消えない罪』を見ました。
サンドラ・ブロックが主演の映画。
2021年12月10日(金)からNetflixで配信が始まりました。
一番重要なネタバレだけは避けて感想を書いていきます。
あらすじ
殺人の罪で長い服役生活を送ってきたルース・スレーター (サンドラ・ブロック)。刑期を終えて出所した彼女を待っていたのは、過去の罪を許さぬ厳しい社会だった。かつて暮らしていた場所でも激しい非難にさらされたルースは、心の救いを求め、生き別れになった妹を探し出しそうとする。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=mMObwvfnf9U
キャスト
サンドラ・ブロック
ヴィンセント・ドノフリオ
ジョン・バーンサル
リチャード・トーマス
リンダ・エモンド
アシュリン・フランシオーシ
ロブ・モーガン
ヴィオラ・デイヴィス
映画の内容・感想
映画の内容は、警官殺しの罪で20年間服役していた女ルースが出所し、生き別れになった妹を探すというもの。
邦題は『消えない罪』になっていますが、原題は『The Unforgivable』。
直訳すると「消えない」という意味らしいです。
・殺人の容疑で服役し出所した女ルース。
・幼い頃に養子となった姉を覚えていない妹。
・復讐に燃える殺された警官の息子たち。
これら3組が交じり話が進んでいきます。
意味がありそうで結局あまり意味のなかったキャラもいました。
服役中に大工の資格を取り、妨害を受けながらも建設系の仕事にようやく掛け持ちで始めますが、その設定が映画内で大きな役割を果たしたり意味を持つことはありませんでした。
主人公と雇い主とで何かドラマがあるのかと思ったら何もなかったです。
腕を認めてもらって雇ってもらうシーンだけで、その後雇い主の登場はありませんでした。
もう1人は、主人公に惚れて(?)近づいてきた男です。
主人公が働くことになった魚工場で出会った彼は、いったい何に惚れたのかは謎ですが、主人公と仲良くなろうと接触を試みてきます。
掛け持ちをしている仕事の職場にこっそりドーナツを差し入れしたり、防寒用のジャケットを買ってきたり。
少し打ち解けてきて付き合うのかなと思っていたら彼がまあ最悪でした。
・主人公が勇気を振り絞って話した殺人の容疑で服役していた過去を工場の同僚にすぐ話す
・それによって、同僚(親が警官)が主人公に暴行を加えるが見て見ぬ振り
・あとから主人公に対して「つい言ってしまった」
・話を聞くと男も1年半前まで服役していた
・「犯罪者とは一緒にいれない」と突然別れを告げられる
「なんだこいつ・・・」と思いました。
保護観察中のルースは、犯罪歴のある人とも関われないことになっていたので、別れはある意味男の優しさなだったのかもしれません。
ですが、それ以前の行動がどれも最悪だったので、結果的にルースをただ傷つけるだけの最悪な男に見えてしまいました。
アプローチが下手すぎて(主人公ルースにドーナツの差し入れをするときも、建物に不法侵入して警戒心を抱いてるルースをビビらせてみたり、打ち明けられた秘密をすぐ他の人に話したり)全ての行動が裏目に出てしまい、最終的に信用まで失うという良いところのないキャラだったように見えました。
結局この男は、映画の中で主人公ルースに傷を負わせるためだけに作られた尺稼ぎ的な役だったように感じました。
ゾンビ映画で1人行動する人がいないと、話が悪い方向に向かっていかない・・・っていうアレみたいなものでしょうか。
ただ、ゾンビ映画の1人行動とは違い、いなくても全く問題のないキャラなのでは?とも思いました。
主人公の良き理解者でも、友人でも、恋人にもなれず、ただただ余計なことをしてルースを傷つけてフェードアウトしていって結末にも絡んでこないキャラでした。
映画の展開はけっこう読めます。
それなりに映画を見ている人なら展開はどんどん読めてしまって意外性はあまり無いと思います。どんでん返しもないです。
ですが、かなりハラハラします。
復讐に燃える兄弟が何をするか分からない怖さがあったからです。
兄は出所した瞬間から女をつけ回し、弟は犯人のことは忘れようとしていましたが、徐々に弟の復讐心に火がついてきてしまい、どちらかと言うと弟の方が何をするか分からない狂気を感じました。
弟が家を留守にしている間に、兄と弟の嫁が浮気をしていたというシーンは必要だったのかな?と思いました。
弟は、何となくうまくいっていない妻との関係が浮気の発覚で悪くなり、そのイライラを復讐に結びつけてしまっていたようにも思えました。
先ほども書いたように映画の展開はなんとなく読めましたが、兄弟の選択によってハッピーエンドにもバッドエンドにもなり得る話だったので、ラストはどっちになるんだろうとハラハラしましたね。
ただ、結末は結構ありきたりで、痒いところに手が届かないような気持ちになりました。
評価
生き別れた家族が再会を目指す話というのは美しく見えるものです。
家族の愛を描かれると途端になんでも美しく素晴らしいものに見えてしまいがちというのはあると思います。
ですが、そういった補正的なものをなるべく抜いて冷静になって考えてみると
3.4/5
くらいの作品だったんじゃないかなと思いました。
事件や人物の設定については、もっと深掘りしてほしかったです。
殺されてしまった警官がどんな人物だったのかとか、家族の関係性がもっと見えていたり、兄弟がどれだけの悲しみや怒りを感じながら今まで生きてきたのかとか。
殺されてしまったことは悲劇ですし、残された家族は犯人が憎くて仕方ないという気持ちも分かります。
しかし、復讐をすることで自分も同じように捕まるかもしれないというリスクを冒してまで犯行に踏み切った動機が弱く、感情移入がイマイチできなかったというのがあります。
私はこの作品は楽しめました。
ただ、細かいところを気にすると絶賛するような内容でもなかったのかなと思います。
一番重要なネタバレは避けて感想を書きました。
なぜかと言うと、この作品の中で意外性が唯一あり、その1つだけは展開が読めなかったからです。
「これだけは知らないで見た方がいい」と思ったので書くのはやめました。
Netflixに加入していてこの映画に興味を持った人は、ぜひご自身で結末を確認して欲しいです。
この映画を見て学べること
学ぶと言うか。全て勝手な解釈です。
・秘密を他人に話した時点でそれはもう秘密ではなくなる
・秘密を知った人は確実に他の人に話す
「ここだけの秘密なんだけど…」と噂を聞いた人もさらに話を拡散していく
・見えているものと事実は異なっていることがある
最後に
本当にどうでもいいんですが、、、
記憶している顔と違いすぎて、主人公がサンドラ・ブロックだと分かりませんでした。
スッピンだったのもあったかもしれませんが・・・。
キャスト情報などを見ずになんとなく見始めたので、映画を見終わった後にサンドラ・ブロックだと知って驚きました。
サンドラ・ブロックが出演している映画だと『評決のとき』と『スピード』が好きです。